世話人挨拶

第43回 日本急性肝不全研究会の開催にあたって

当番世話人 大段 秀樹

この度、第43回日本急性肝不全研究会を平成29年6月7日(水)に広島国際会議場において開催させていただくことになり、光栄に存じております。会の開催に際し、ご指導とご支援を賜ります会員の皆様に厚く御礼申し上げます。

また、今年で43回を迎える本研究会の歴史を感じるとともに黎明期を支えて下さった先生方の多大な貢献に深く敬意の念を表します。

日本では平成9年に「臓器移植法」が施行されて以降、平成11年に最初の脳死肝臓移植が施行されました。その後、肝臓移植施行例は年間数例に止まっていましたが、平成22年に改訂臓器移植法が施行されて以来、年間肝臓移植施行例は40例前後と増加しました。急性肝不全に対する肝移植は最後の砦ではありますが、ドナー不足は依然として深刻な問題であります。内科的治療の向上による急性肝不全患者の救命率改善も望まれます。

今回の研究会では、「薬物性急性肝不全の現状と予後」というテーマでシンポジウムを予定しています。基調講演では、帝京大学内科 滝川一教授に「わが国の薬物性肝障害の現況」についてご講演いただき、特別講演では広島大学 生体機能分子動態学研究室 佐能正剛助教に「薬物代謝酵素により生成する医薬品代謝物と肝毒性~肝毒性を回避するための創薬アプローチ~」についてご講演いただく予定です。教育講演では要町病院腹水治療センター 松﨑圭祐先生に『KM-CARTによる大量肝性腹水に対する積極的アプローチ』をご講演いただく予定です。また、急性肝不全に関する基礎研究、内科的治療、人工肝補助療法、肝移植や示唆に富む症例報告など多数の演題を応募いただければと考えております。

広島には、世界遺産の宮島、平和公園がありますが、夜の繁華街では美味しい瀬戸内の魚や地元のお酒を楽しめるお店がたくさんあります。研究会以外の時間にも、急性肝不全医療の発展を願う同志と一緒に、情報交換や親交を温める楽しい時間をすごしていただける事と思います。沢山の皆様のご参加をお願い申し上げます。

第43回日本急性肝不全研究会
当番世話人 大段 秀樹
広島大学大学院医歯薬保健学研究院 消化器・移植外科学 教授